元マラソン選手の万引きは病気?クレプトマニア(窃盗症)という犯罪について
マラソン元代表選手の
原祐美子被告が執行猶予中に逮捕されました。
クレプトマニア(窃盗症)
と言われる依存性の病気だと思われます。
というわけで本日は
ワイドショーなんかじっくり見てる方はご存知かも知れませんが、ちょいとわかりやすく説明しましょうね。
クレプトマニア(窃盗症)という依存性は我慢出来ない衝動にかられ窃盗を繰り返します。
女性の場合摂食障害から始まる場合もあると言われますが彼女も摂食障害があったようですね。
クレプトマニアの場合、頭ではわかっていても
盗みたい行動が制御できません。
薬が止められない薬物依存、お酒が我慢できないアルコール依存などと同じ止めたいのに止められない、自分の意思では制御できなくなってしまう病気なのです。
だからと言ってすべてを病気のせいにできるわけではありません。罪は罪です。
ただ、刑期を終えて出所してもまた日常にもどると抑えの効かない衝動にかられて罪を繰り返してしまう場合が多く、逮捕されるだけでは世の中の犯罪を減らす面からも、本人が再犯しないためにも何の解決にもならないのです。
今回の場合も抑えがきかないからこそ、執行猶予中にもかかわらず万引きをしてしまったわけなんですよ。
あまり知られてませんが痴漢の常習者もほとんどが性依存症ですので自分の意思では止められない場合がほとんど、見逃すことより、しっかり逮捕して治療を行ってもらうことが痴漢撲滅の根本解決への道へ繋がります。
このような依存性であるかないかは、専門家の判断の元、コントロール障害の有無が診断のポイントになります。
犯罪を併発する依存性の治療はただ薬を投与すればよいわけではありません。
ひと昔前まで犯罪=自己責任論としてのみ考えられていましたが、現代の病(依存性)からくる犯罪の場合、回復責任論としていかに回復して根本的な解決につなげるか、が見直されてきています。
まだ全国的にも数は少ないですが東京都の大森榎本クリニックをはじめいくつかの病院で様々な依存性に対する専門的な取り組み治療、自助グループ、家族の協力、地域支援、司法サポートなどへの総合的な地域トリートメントという連携活動が行われて少しずつ世間に浸透しつつあります。
また、新潟刑務所などではH24年10月より【条件反射制御法】という、クレプトマニアには「万引きを達成しない疑似体験」をさせる、薬物依存性には擬似の薬を渡し達成感を与えない等の制御の刺激を習得するという、本人達の同意を得たうえでの新しい改善指導の取り組みが行われています。
このように依存性からおこる犯罪への取り組みも行われているわけなんです。
依存性は現代人の心の病です。
今回はクレプトマニアによる万引きでしたが依存性が引き起こす犯罪は様々です。
私達は日々のニュースの中でこのような事件を耳にした時、ただすごい、酷い、などと思うかもしれませんが、情報に流されることなく本当の意味で身を衛るためには、事実を知り大切な知識を得て生かせるかが必要に
なってくると思います。
防犯、護身術師の私がなぜこのような話を書くか、それは鍵をかける、人を振り払う技を覚えるだけではなく、犯罪を知り根本解決の道を探ることもまた、毎日を安心に暮らすための防犯、護身術だと思っているからです。
もし皆さんの知り合いや身内、または自分が犯罪者になる前様子がおかしい、自分で止められない事があると思ったら相談する、治療を行う、治療をすすめる、そしてそれぞれが他人事ではなく治療へ協力する意識を持つこともまた犯罪を減らす防犯の1つではないでしょうか?
今日はここまでニコニコ
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